ドがつく近眼のガジェレポ!@gadgerepoです。こんにちわ。
皆さんは点字ってご存知でしょうか。
点字とは視覚障害者向けに発案されたドットで構成された文字のことで、指先に触れる感覚の違いによって文字を識別し読み取るというものです。
公共施設や大型デパートに設置されている案内板、トイレの入り口に設けられた平面図などで皆さんも見かけられていると思います。
点字の歴史
現在、一般的に使われている「6点式点字」を開発したのはフランス人の “ルイ・ブライユ(Louis Braille)”という人で、1825年にアルファベットの6点式点字を発案。楽譜や数字・数式の点字表記も定め、これが世界中に普及しました。
その後、1890年に「日本点字の父」とも言われる石川 倉次(いしかわ くらじ)が6点式点字による日本語表記を確立。これが国内で広く使われることとなります。
ちなみに、日本ではその形式から「点字」と呼ばれていますが、諸外国ではルイ・ブライユの名前から “Braille”(ブライユ、またはブレイル)と呼ばれています。
点字の読み方
日本語点字の場合、“かな”(47文字)それぞれに以下のような点字があてがわれています。
(-部分はドットが無い部分です)
コチラが数字。「⠼」は数符と呼ばれる、数字であることを示す記号です。
そのほかアルファベットや記号を表す点字や、組み合わせによって濁音・半濁音などを表現し、日本語として読めるようになっています。
点字を表示させるスマートウォッチの登場
今回、点字について興味をもったのは コチラのデバイスが発表されたから。
韓国の企業「Fingers On」によって発表されたこの「Dot」は、目の不自由な人のために開発された、点字を表示させるスマートウォッチ。なんとディスプレイ部分に点字が浮き上がってくる仕様になっています。
スマートフォンやスマートウォッチなどのデバイスにおいて、目の不自由な人のために Siri のような「音声認識機能」を活用する、という話は以前からありましたが、「Dot」はディスプレイ上の4つの点字によって時刻やアラーム、受信したメール・メッセージ、電子書籍のテキストを表示するというもの。
これまでも点字プリンターや点字入力キーボードといった視覚障害者向けのデバイスはありましたが、高価であったり大きくてかさばったるので持ち歩きに不向きといった問題がありました。
この「Dot」のようなスマートウォッチなら持ち歩きも苦にならず、価格も300ドル以内を予定しているとのこと。
まとめ
とはいえ、この素晴らしい着眼点のデバイスにも問題点が無いとは言い切れません。
点字そのものはかなり普及してきている。ただし、視覚障害者が全て点字を解するわけではない。点字を完全に使いこなしている人は視覚障害者のうちの一部である。特に、後天的に視覚障害者となった人の中には点字が全くわからない人や、読むのに時間がかかる人などが少なくない。
とあるように、点字を判読できる視覚障害者はごく一部であり、全ての障害者が問題なく読める、というわけではないこと。
そういう点では「音声案内機能」のほうが優れているかもしれません。
しかし、機械的な音声案内ではなく、障害者自身が読み取ることで想像性豊かに感じ取れるこのデバイス、視覚障害者支援の新たな方向性を示す素晴らしい製品だと感じます。
これからの展開に期待大です。