ガジェレポ!

京都在住の中年サラリーマンブロガー。 Mac、iPhone、ゲームにアプリなどなど興味をもったガジェットの情報をなんでもレポート。

huluで『となり町戦争(2006年)』を見てみる。

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「♪恋をした夜は〜」ガジェレポ!@gadgerepoです。こんにちわ。

筆者が大好きな俳優の一人である江口洋介さん。

“いい人役”に関して、彼の右に出るものはいないと思うのですがいかがでしょう?

そんな江口洋介さんの主演する映画『となり町戦争(2006年)』が、動画配信サービス hulu で公開されていたので観てみました。

以下ネタバレ注意!

「日常の中に潜む非日常」を描いた異色作

 

主演「江口洋介」はこんな人

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俳優であり、以前は歌手としても活躍していた江口洋介さん。

奥様である歌手の森高千里さんとは、阪神淡路大震災の復興支援コンサートでの共演をキッカケに交際が始まったそうです。

1990年代、ドラマ「東京ラブストーリー」「ひとつ屋根の下」などのヒット作出演で人気俳優の仲間入り。その後もTVや映画で主演・助演に関わらず精力的に活動されています。

「ひとつ屋根の下」の“あんちゃん”や「白い巨塔」の“里見脩二”に代表される、正義感の強い好人物を演ずることが多いですが、映画「るろうに剣心」では冷たく醒めていて、暗い影のある“斎藤一”を見事に演じています。

身長は185cmとかなりの長身。以前筆者が映画のエキストラに参加した折にお見かけしましたが、デカかったです。

www.gadgerepo.com

 

そんな江口洋介さんですが、デビューが映画「湘南爆走族」の主人公、江口洋助役であることを筆者は決して忘れません。

気になるあらすじと感想

さて、江口洋介さん主演の『となり町戦争』。あらすじはというと……

 舞坂町に暮らす北原修路(江口洋介)は、旅行会社に勤めるごく普通の青年。平凡な毎日を送る彼はある日、ふと目にした町の広報紙“広報まいさか”の中に、不可解な一文を発見する。
 そこには“舞坂町はとなり町の森見町と戦争をします。開戦日は5月7日…”と書かれていた。しかし、翌日の開戦日を迎えても、町にはいつもと変わらぬ穏やかな時間が流れていた。
 ところがそれから数日後、北原は役場から特別偵察業務の指令を受け取る。要領を得ないまま舞坂町役場を訪れた北原は、そこで“対森見町戦争推進室”に籍を置く女性、香西(原田知世)から偵察任務の概要を説明されるのだったが…。
映画 となり町戦争 - allcinema

 

第17回小説すばる新人賞受賞作品、三崎亜記の小説を映画化した本作、いつもと同じ日常生活からいつの間にか非日常へと足を踏み入れた主人公の戸惑いと葛藤をシュールに描いています。

筆者は当初そのタイトルから、平凡な主人公が突如として血なまぐさい戦場へと身を投じる事になる「バトル・ロワイアル」のような展開を想像していたのですが、まったくの肩透かしでした。

というのも、実際に戦争が行われていることを暗示させるようなシーンがほとんどない。

作中、となり町との戦争による戦死者が50人を超えたというような描写はあるものの、どのような戦闘がどのくらいの規模で行われたという映像はなく、視聴者(そして舞坂町と森見町の住民)にとってとなり町との戦争は“見えない戦争”として表現しています。

現実味のない戦争に、実感のわかないまま流されていく主人公。当事者にも関わらずまるで「対岸の火事」のように物事を捉えていく様子はさながら現代の日本人を象徴しているよう。

そしてあくまで物語は江口洋介演じる北原と、原田知世演じる香西との心の交流・移り変わりを焦点として進行。

後半こそ多少の血なまぐさい描写と、香西の弟(瑛太)の死という重いテーマを取り扱いますが、前〜中盤は結構笑いの要素が多いカル〜い雰囲気で展開していきます。

その点が筆者には“惜しいっ!”と感じてしまいました。

軽いノリで行くなら終始貫き通し、最終的には争いごとの不毛さを笑って茶化すぐらい徹底したほうが良かった。

戦争の虚しさを強調するなら、なぜ何のために、誰の利益のために公共の事業としてまで争いが行われているのか掘り下げたほうが理解しやすい。

どうにも中途半端な感じが、観ていてモヤモヤした思いを蓄積させられました。

とはいえ、江口洋介と原田知世の間柄が「業務上、形だけのもの」から進展していく様子はやはりハラハラドキドキ。

お二人の演技力には感服いたします。

江口洋介目当てで観始めた本作でしたが……

なにより、原田知世がカワイイ!