ガジェレポ!

京都在住の中年サラリーマンブロガー。 Mac、iPhone、ゲームにアプリなどなど興味をもったガジェットの情報をなんでもレポート。

原作厨が映画「アイアムアヒーロー」の感想を書いてみる。

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無理だ、走るヤツはダメだ……ガジェレポ!@gadgerepoです。こんにちわ。

基本的に映画は大好きなものの、まだ下の子が小さいこともあって最近は映画館を利用していない筆者。

それが先ごろ急遽実家で子どもたちを預かってもらえる事になり、久しぶりに奥さんと映画を観に行くことになりました。

何を観るかまったくのノープランだったのですが、海外ドラマ「ウォーキング・デッド」にハマっている奥さんは同じゾンビものである「アイアムアヒーロー」に興味がある様子。

しかし、ビッグコミックスピリッツで連載開始当初から原作を読んでいる原作厨の筆者としては若干の不安が……。

とはいうものの他に観たい映画があるわけでもなく、今回は“怖いもの見たさ”で実写版「アイアムアヒーロー」を観に行くことになりました。

以下、ネタバレ注意です。

映画「アイアムアヒーロー」ネタバレ感想記

あらすじは?

というわけで期待半分、冷やかし半分で観ることになった「アイアムアヒーロー」。

あらすじを説明しますと……

 鈴木英雄(大泉洋)35歳。職業:漫画家アシスタント。彼女とは破局寸前。
そんな平凡な毎日が、ある日突然、終わりを告げる…。徹夜仕事を終えアパートに戻った英雄の目に映ったのは、彼女の「異形」の姿。
 一瞬にして世界は崩壊し、姿を変えて行く。謎の感染によって人々が変貌を遂げた生命体『ZQN(ゾキュン)』で街は溢れ、日本中は感染パニックに陥る。
  標高の高い場所では感染しないという情報を頼りに富士山に向かう英雄。その道中で出会った女子高生・比呂美(有村架純)と元看護師・藪(長澤まさみ)と共に生き残りを賭けた極限のサバイバルが始まった…。
 果たして彼らは、この変わり果てた日本で生き延びることが出来るのか。そして、英雄は、ただの英雄(ひでお)から本当の英雄(ヒーロー)になれるのか!?

 

2009年の連載開始から今なお連載中、コミックも20巻(2016年5月現在)まで発行されている大作ですから、二時間という映画の尺でどこまで映像化するのか気になっていたのですが、前半のヤマ場とも言える「アウトレットモール編」まで。

コミックの8巻分に相当する部分ですから相当端折られてるかな〜、と覚悟はしていましたが……。

原作厨としては気になる改編

やはりところどころの改編は気になりましたね。

主人公、英雄(大泉洋)の恋人であり、原作では温和な性格だったてっこが初っ端から不甲斐ない英雄にキレまくりでしたし、矢島(英雄の妄想)は出てこないし比呂美(有村架純)とは都内でタクシー拾うところで出会っちゃうし……。

原作序盤、英雄の平凡な日常生活が淡々と描かれてそこから急展開でゾンビ=ZQN(ゾキュン)が徘徊する非日常に突入する……といった意外性で一気に物語に引きこまれた感があったのですが、映画ではそこまで丁寧に描く余裕はなかったようです。

まぁ、これは原作ありきの映画では致し方ないところではありますね。

しかしながら映画終盤、これまで銃を持ちながらもモラルや法律に囚われて頑なに撃たなかった英雄が(長澤まさみ)と比呂美を守るため銃で無双するくだりは原作同様、一気に主人公 英雄がヒーローと化す場面でスカッと爽快!でした。

それと、映画序盤にチラッと登場する人気漫画家、原作でも大活躍中の中田コロリ(隊長)が適役すぎてビックリしましたねw

出来れば英雄のアシスタント仲間である「三谷さん」もゼヒ三谷幸喜さんに演じてもらいたかった……。

「和製ゾンビ映画」としては最高の出来

筆者としては、これまで読んできた原作漫画との違いがどうしても気になってしまうところですが、原作を読んだことがない、「ウォーキング・デッド」をキャーキャー叫びながら観てしまう奥さんからすると、なかなか楽しめた映画だったようです。

たしかにZQNの造形はただのメイクだけにとどまらない凝った造りとなっていて、気持ち悪さ・怖さを増幅させていましたし、ZQNに襲われる演出(ZQNと化した“てっこ”が不気味な動きでにじり寄って来たかと思うと一気に英雄の眼前に迫ってくる!)も思わず「ヒッ!!」と叫んでしまうリアルさがありました。

「和製ゾンビ映画」というと、これまではチープさやリアリティの無さでイマイチ本気で怖がれない、という感じでしたがこの作品はこれまでの和製ゾンビ映画とは一線を画する、本気で怖がれる仕上がりとなっています。

まとめ

ここ数年、邦画で漫画原作を実写化!というと「G◯NTZ」にしろ(アイアムアヒーローと同じ監督の作品ですが)「寄◯獣」にしろ「進撃の◯人」にしろ「テラフォーマーズ」にしろ出来上がってみると
(´・ω・`)
な作品が多かったため、すっかり実写映像化恐怖症になっていた筆者でしたが、本作品はなかなかどうして楽しむことができました。

海外の作品と比べるとどうしても勢いのない邦画ですが、この調子で頑張っていただきたいものです。